住宅ローンの基本:変動金利vs固定金利、どちらを選ぶ?
住宅ローンの金利タイプを徹底比較。変動金利と固定金利のメリット・デメリット、今選ぶべき金利タイプを解説します。

住宅ローンの基本:変動金利vs固定金利、どちらを選ぶ?
マイホーム購入で最大の決断の一つが、住宅ローンの金利タイプ選びです。
変動金利と固定金利、どちらを選ぶかで総返済額が数百万円変わることもあります。この記事では、両者のメリット・デメリットを比較し、あなたに最適な選択を解説します。
- 変動金利と固定金利の違い
- それぞれのメリット・デメリット
- 金利上昇リスクの考え方
- 借入額別シミュレーション
- 今おすすめの金利タイプ
金利タイプの基本
変動金利とは
変動金利は、市場金利の変動に応じて半年ごとに金利が見直されるタイプです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金利見直し | 半年に1回 |
| 返済額見直し | 5年に1回 |
| 現在の金利 | 約0.3〜0.5%(2024年) |
| 基準 | 短期プライムレート |
「5年ルール」により、金利が上がっても返済額は5年間固定されます。ただし、元本と利息の配分は変わります。
固定金利とは
固定金利は、借入時の金利が返済終了まで変わらないタイプです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 金利見直し | なし(借入時の金利で固定) |
| 返済額 | 完済まで一定 |
| 現在の金利 | 約1.8〜2.0%(フラット35、2024年) |
| 基準 | 長期金利(10年国債利回り) |
固定金利期間選択型
一定期間(3年、5年、10年など)は固定で、その後は変動または再度固定を選ぶタイプもあります。
変動金利のメリット・デメリット
メリット
金利が圧倒的に低い
2024年現在、変動金利は**0.3〜0.5%**と、固定金利の約1/4〜1/5の水準。月々の返済額が大幅に抑えられます。
金利が下がればさらにお得
市場金利が下がれば、返済負担も軽くなります(現状は既に低いため、さらに下がる可能性は低いですが)。
繰上返済がしやすい
低金利の間に余裕資金で繰上返済すれば、総返済額を大幅に減らせます。
デメリット
金利上昇リスク
将来金利が上がると、返済額が増加します。最悪の場合、返済が困難になるリスクも。
返済計画が立てにくい
将来の返済額が確定しないため、長期的な家計計画が立てにくいです。
精神的な不安
「金利が上がったらどうしよう」という不安を常に抱えることになります。
固定金利のメリット・デメリット
メリット
返済額が確定する
完済まで返済額が変わらないため、家計計画が立てやすいです。安心感があります。
金利上昇リスクがない
どんなに金利が上がっても、借入時の金利で返済を続けられます。
精神的な安心感
「金利が上がったらどうしよう」という心配から解放されます。
デメリット
金利が高い
変動金利と比べて1.5%前後高いのが最大のデメリット。総返済額に大きな差が出ます。
金利が下がっても恩恵なし
市場金利が下がっても、借入時の金利で返済を続ける必要があります。
繰上返済のメリットが薄い
元々金利が高いため、繰上返済しても利息軽減効果は変動金利ほど大きくありません。
借入額別シミュレーション
条件
- 借入額:3,000万円
- 返済期間:35年
- 変動金利:0.5%
- 固定金利:1.9%
月々の返済額
変動金利 0.5%
総返済額:約3,271万円
固定金利 1.9%
総返済額:約4,138万円
金利差による総返済額の違い
| 金利 | 月々返済額 | 総返済額 | 変動との差 |
|---|---|---|---|
| 変動 0.5% | 77,875円 | 3,271万円 | - |
| 固定 1.5% | 91,855円 | 3,858万円 | +587万円 |
| 固定 1.9% | 98,513円 | 4,138万円 | +867万円 |
| 固定 2.5% | 107,248円 | 4,504万円 | +1,233万円 |
このシミュレーションは変動金利が35年間ずっと0.5%の場合です。金利が上がれば、変動金利の総返済額も増えます。
金利上昇リスクをどう考える?
変動金利が上がるシナリオ
変動金利が上がるのは、主に以下のような場合です。
- 日銀が利上げ:インフレ対策や円安対策で政策金利を引き上げる
- 経済の好調:景気が良くなり、金利上昇圧力がかかる
- インフレの加速:物価上昇を抑えるために金利を上げる
金利上昇時のシミュレーション
借入額3,000万円、35年ローンで変動金利が上がった場合
| 金利上昇 | 月々返済額 | 変動0.5%との差 |
|---|---|---|
| 0.5%→1.0% | 84,685円 | +6,810円/月 |
| 0.5%→1.5% | 91,855円 | +13,980円/月 |
| 0.5%→2.0% | 99,378円 | +21,503円/月 |
| 0.5%→3.0% | 115,455円 | +37,580円/月 |
仮に金利が1.5%まで上がっても、月々の返済額増加は約14,000円。その程度の余裕があるかが判断基準になります。
「125%ルール」で急激な増加は抑制
変動金利には、返済額の増加を前回の125%までに抑えるルールがあります。
例:月々8万円の返済が、最大でも10万円までしか増えない
ただし、これは「返済が楽になる」わけではなく、利息の未払い分が元本に上乗せされるリスクがあります。
今おすすめの金利タイプは?
変動金利がおすすめの人
- 収入に余裕がある:金利上昇時も返済を続けられる
- 繰上返済する予定:低金利の間に元本を減らせる
- 返済期間が短い:金利上昇リスクの期間が短い
- 共働き:一方の収入が減っても対応可能
固定金利がおすすめの人
- 収入に余裕がない:金利上昇に耐えられない
- 安心感を重視:精神的な安定が大切
- 返済期間が長い:35年ローンなど長期
- 片働き:収入源が1つで不安がある
2024年現在のおすすめ
変動金利がやや有利と考えられます。
理由:
- 日銀の利上げペースは緩やか
- 1.5%以上の金利差は大きい
- 繰上返済で元本を減らせる
ただし、金利上昇に対応できる余裕があることが前提です。
金利タイプ選びのチェックリスト
以下の質問に答えて、あなたに合った金利タイプを確認しましょう。
| 質問 | 変動向き | 固定向き |
|---|---|---|
| 金利が1%上がっても返済できる? | Yes | No |
| 繰上返済の予定がある? | Yes | No |
| 共働き? | Yes | No |
| 返済期間は20年以下? | Yes | No |
| 精神的な安心を重視? | No | Yes |
「変動向き」が多い → 変動金利を検討 「固定向き」が多い → 固定金利を検討
まとめ
変動金利は低金利だがリスクあり
現在0.5%前後と非常に低いですが、将来の金利上昇リスクがあります。
固定金利は安心だが高い
返済額が確定する安心感がありますが、総返済額は数百万円多くなります。
余裕があれば変動金利
金利上昇に対応できる余裕があれば、変動金利で低金利のメリットを享受できます。
住宅ローンの返済と並行して、NISAでの資産形成も重要です。低金利の変動ローンで浮いた分をNISAに回すことで、将来の資産を増やせます。
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免責事項: この記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の勧誘ではありません。住宅ローン選びは金融機関にご相談ください。